「とてつもなくJリーグらしい結末」J1第34節 川崎フロンターレ-横浜Fマリノス

前節から1勝を挙げるだけで優勝に至るはずだった横浜Fマリノスは、最終節も川崎フロンターレに敗れてしまい、結局最後は勝ち点1の差で広島に逆転され、まさかの2位でシーズンを終了する事になった。

横浜Fマリノスと川崎フロンターレのサッカーは、おそらくミクロでのアプローチに違いはあるものの、出来上がったチームは守備では早めにゾーンからマンマークに移ってしつこくチェイスを行い、ボールを奪うと少ないタッチのパス回しと各選手が素早くパスコースを作る動きで相手ゴールまで持って行くという、似たようなスタイルで完成されている。

それだけに、優勝を目前にしたプレッシャーかベテランが多いための疲労蓄積かは分からないが、川崎に比べて横浜は明らかに攻撃へと移った時にかかる出足や人数が劣っており、横浜は前半のマルキーニョスの飛び出しに合わせた決定的なパス以降は、中村俊輔がボールを持ってもそこに合わせる前線の鋭い動き出しが全く見られなくなってしまった。

逆に川崎のほうは、基本的な戦術は風間メソッドによる狭い関係でのショートパスサッカーなんだけど、レナトのゴールにつながった大久保の無回転ミドルや中村憲剛の鋭い縦パスなど、ベテランが率先して攻撃をスピードアップしていた。そこが、中村俊輔から先のスピードアップが出来なかった横浜との大きな違いだった。

しかし今日も、J1昇格プレーオフで3位の京都が4位の徳島に敗れて昇格を逃し、J2・JFL入れ替えプレーオフでは、アウェイでの第1レグでドローに終わり、ホームでの第2レグで引き分け以上なら残留出来たはずの鳥取が、10人になった讃岐を攻めきれずに来期J3への降格と、有利であるはずのチームがことごとく試合を落としてしまうJリーグの伝統行事が展開されてしまった。

かつては日本代表も、ホームでの試合など有利な立場であればあるほど弱くなるホーム・ディスアドバンテージに悩まされたものだが、今ではすっかりホームのほうが強い普通のチームになってしまった。その要因が海外組が増えたことによるものかどうかははっきり分からないが、Jリーグもホームで強くならない限りは国際的なレベルでの競争力が持てないんじゃないかという気がする。それ以上に、結果を期待してホームに集まってくるライトサポに対する裏切りは、観客動員にとって相当な影響があるだろうし・・・

ま、とにかく2連覇の広島はおめでとう、横浜Fマリノスは中村依存のサッカーから昇華し、来年はACLも含めてもっと幅広い強さを持ったチームになってリベンジをして欲しいところだね。