「6万人のため息」J1第33節 横浜Fマリノス-アルビレックス新潟

せっかくホームにJ1の最多入場者記録を更新する6万2632人を集めながら、横浜Fマリノスは新潟に0-2と敗れて優勝争いは最終節に持ち越しとなった。

しかしFマリノスだけでなく、他に優勝争いに絡んだセレッソはこれまた3万6000人の観衆を集めながらも鹿島に1-2と負け、浦和もアウェイとはいえ鳥栖に1-4の惨敗と、唯一ホームで勝った広島以外はたくさん集まったサポーターに対して情けない結果になってしまった。

ACLの決勝トーナメント一発勝負にホームでことごとく敗れたり、昨シーズンのJ1昇格プレイオフで、6位だった大分がことごとくアウェイの試合で勝利して最後は昇格を決めたのを見ても、一見すると明らかに有利と思われるチームがことごとく負けてしまうのは悲しいことに日本の伝統になりつつあるよね。

それも一つの愛おしさになるという意見もあるけど、やはりこういう時にしか来ないお客さんにとっては、期待した祭りが突然中止になってしまうようなもので、今Jリーグで問題になっている観客動員のジリ貧に多少なりとも影響を及ぼしているのは事実だろう。まあ、だからと言って対策があるわけじゃないんだが・・・

と言う愚痴はともかくとして、試合内容に関しては非常に楽しかった。

特に新潟の守備は、前線からの強烈なプレスと、Fマリノスがボールを持った瞬間に各選手が自分に近い相手をガッチリマークする守備連携が素晴らしく、最後まで横浜の選手をフリーにさせず、中村のFKを東口が横っ飛びで防いだシーンや切り返しからシュートを放ったシーン以外はほとんど危ない場面を作らせなかった。

横浜は基本的に中村がボールを持って周りがフリーになる事でチャンスを作るチームなので、その周りがフリーにさせてもらえない状況ではどうしようもない。こういう時にこそ齋藤のドリブルなんだが、回数は少なかったしことごとく連携の無い単発攻撃に終わってしまったね。

Jリーグは夏場の灼熱地獄に加え、フィジカルやスピードでゴリゴリ突破する強烈な個を持った選手が少ないために、どうしても守備はディレイとカバーリングが中心になって、それがACLで弱い原因になっていたりするのだが、鳥栖も含めてこういう異なるカルチャーを持ったチームがJに増えることがレベルアップにつながると思っているので、その意味では新潟の勝利は嬉しいものだった。

とまあ、試合を見ながらアンビバレンツな感想に挟まれてしまった週末なのでありました(笑)。