「これがモウリーニョの恐ろしさ」欧州CL グループE シャルケ04-チェルシー

今朝のCLで、香川がレアル・ソシエダ戦にフル出場して良いプレイを見せたという嬉しい結果が飛び込んできたけど、当然まだ試合は見ていないので、先に内田がいるシャルケのCLチェルシー戦の戦評を。

ここまでチャンピオンズリーグではグループリーグ2連勝と好調なシャルケだったが、メンバーに怪我人が相次いで若手を起用せざるを得ず、この試合ではかろうじてボアテングが復帰したものの、終始ボールを保持して攻めながらも得点できず、セットプレイとカウンターから3点食らって轟沈という、まるで代表のセルビア・ベラルーシ戦を思わせるようなやられ方を喫してしまった。

とは言え、この前の代表ほどの閉塞感がある攻撃ではなく、現在好調の内田・アオゴの両SBが頻繁に攻撃参加し、むしろ後半は彼らがウイングのようになって後ろは2バック状態で徹底的にサイドから攻めるという、引いた相手に対しての定石を駆使して攻め立てたのだが、テリー・ケイヒル・イヴァノビッチの3人は壁のようで、前半終了間際の畳み掛けるシュートに対してはチェフがナイスセーブで凌ぎ、チェルシーの牙城を最後まで崩せなかった。

シャルケはやはりチェルシーの堅守を崩すには前線のパワーが足りず、ボアテングは決してゴールアーティストではないし、ドラクスラーは厳しいマークでアオゴへのつなぎ役が精一杯、トップ下のマイヤーは非常に存在感が薄く、クレメンスは後半になかなかの頑張りは見せたものの、フンテラールとファルファン不在の影響はやはり大きかった。そして代わりにジョーンズが出場していたが、ヘーガーの不在が地味に響いていた。

そんな中で内田は90分間存在感を放ち、対面は現在売り出し中のシュールレだったが、序盤の1対1できっちりと止めて機先を制すると、その後は高い位置取りでシュールレの上がりを抑えこんでSBのようにさせてしまい、ボアテングの頭に合ったファーへの高速クロスを始めとして、タイミングを見計らったオーバーラップで何度も良い形を作り出していた。

ただ、マッチアップで内田はシュールレに完勝!と無邪気に喜ぶ気にはなれない。前半に内田がオーバーラップからスライディングシュートを放った時、そこに最後まで食らいついていたのはマッチアップの相手であるシュールレだった。香川や本田でも無理であろう粘り強い守備をシュールレにさせられるのは、かつてインテル時代にエトーを5バックのサイドにしてまでの徹底したアンチ・フットボールでバルサを打ち砕いたモウリーニョならではの手腕であるとも言える。

とにかくシャルケは良く頑張りはしたけど、経験や個人能力、監督の手腕等、チェルシーが1枚も2枚も上手であることを見せつけられた試合だったね。