「まだまだ続くかパルセイロの快進撃」天皇杯3回戦 ギラヴァンツ北九州-AC長野パルセイロ

天皇杯2回戦でホームの名古屋グランパスを2-0で破るという大金星を挙げたAC長野パルセイロ。3回戦ではJ2ギラヴァンツ北九州相手で後半終了間際に退場者を出しながらも120分間を耐え抜き、PK戦を制して2戦連続のアップセットを果たした。

美濃部監督になってからの長野の試合は初めて見たんだけど、今流行りの3バックの割にやたらデジャヴ感があるなと思ったら、やってるサッカーがトルシエジャパンそっくりなんだよね(笑)。

今のモダン3バックはサイドを高く上げてDFからのサイドチェンジで基点を作り、そこからオーバーラップで攻撃を分厚くするサイド重視の戦術なのに対し、長野は3バックがフラット気味に高いラインを作ってプレスをかけ、ボールを奪ったら速くショートパスをつないでゴールに向かうという、プレッシングとショートカウンターというまさにトルシエジャパンコンセプトのサッカー。

北九州は、まずは落ち着いて戦況を見極めるような姿勢でゆっくり気味のペースで入ったら、いきなり長野の激しいプレスに遭ったため、何とか彼らのペースに対応しようとして結果的にアタフタしたサッカーになってしまい、自分達のペースで試合が出来ない状況のまま終わってしまったという感じ。後半終了間際に長野が10人になったけど、それがかえってPK戦狙いに絞らせてしまう逆効果になってしまった。

数年前までなら長野のサッカーはそんなに珍しく無かったんだけど、今はJリーグもポゼッション指向を持つチームが多くなっているので、こういった戦術とトーナメントに出くわすと戸惑うチームが出てくるのも頷ける。ただ、ここから先は相手も長野のサッカーを研究して来るだろうから、プレスサッカーと相性が悪いロングボールを上手く使うチームと対戦になった場合に、真価が問われる事になるだろう。