「イングランドも日本と紙一重」ブラジルW杯欧州予選グループ8 イングランド-モンテネグロ

グループの1位から4位までがわずか勝ち点3の中にひしめき合っていた激戦のグループ8。聖地ウェンブリーで行われたモンテネグロとの試合はイングランドが4-1で快勝し、ウクライナに勝ち点1差のグループ首位に立った。

昨日のセルビア戦での日本についてはあちこちで随分叩かれているようだが、ぶっちゃけこの試合の前半はセルビアがリードした後の展開のようで、きっちりと自陣に堅いブロックを作って守るモンテネグロに対してイングランドは終始攻めあぐね、細かいパスをつなぐがシュートに持って行けない日本に対し、やたらと精度の低いドッカンミドルを撃つという違いはあるが、どちらも攻め手が無いという点では同じである。

それが最終的に正反対の結果になったのは、やはりイングランドが先制点を奪ったことに尽きる。その後はどちらに転ぶか分からない展開になっていたが、さらにその14分後にはラッキーなオウンゴールが追加され、これでイングランドは一気に楽な試合となった。

イングランドの先制点は、右SHとして先発起用されたタウンセンドが、相手のマークを受けながらもドリブル突破を仕掛けてクロスを挙げ、シュートの跳ね返りをルーニーが押し込んだもので、同じような展開でも日本と正反対の結果になった要因は、結局「個の力」という部分に尽きる。

相手が守備を固めれば固めるほど、相手に1対1を突破されるとマークのシフトなどの対応が難しくなり、それがまた別の場所の緩みへと波及するわけで、バルサが相手を攻め崩せるのはパスワークよりもメッシにマークが集まってスペースが出来る事による効果が大きいわけで、セルビア戦の日本のようにただパスを回しているだけでは一向にチャンスは作れない。

唯一、長友だけがそういったチャレンジをしていたが、すぐに対策をされて封じ込められてしまった。長友以外にも、もっとチャレンジが仕掛けられる選手が出て来ないと、W杯本番でもああいった場面で苦しむのは避けられない。本田も左足が研究されているだけに、香川や柿谷が個で勝負して行けるかどうかが今後のポイントになりそうだ。