「難しい試合をものにしたインテル」イタリア・セリエA第5節 インテル-フィオレンティーナ

現在3位と4位だが同勝ち点で並んでいるインテルとフィオレンティーナというライバル同士の試合は、ミッドウィークに行われたとは思えないほど緊迫感のある戦いで、しかも長友のインテルが勝ってと見ている方にとってはたまらない試合になった。

それにしても、この両チームを見ているとイタリアはここ数年の凋落ぶりから確実に上昇気流に乗りつつあるなと思う。それはやはり、昨シーズンのユベントスやナポリが見せた3バックによる攻撃的な戦術が結果を出している事、コンテやモンテッラといったイタリア黄金時代の選手が監督になって、積極的な若手起用とモダンな戦術を駆使するようになって来ている面が大きいと思う。

この試合も、互いにコンパクトな守備網を素早く整えつつ前線からプレスバックをかけるサッカーの応酬で、激しくめまぐるしい場面の連速だったわけだが、組織の連携という面でフィオレンティーナに一日(シーズン?)の長があり、DFから1ボランチ、インサイドハーフ、ウイングとそれぞれがポジションを上げながらサイドへ展開するパスワークがスムーズで、インテルは後手な対応に回らされてしまった。

特に長友のサイドはドリブラーのホアキンがいて、しかもインテルはインサイドハーフのタイデルとグアリンにいつもの運動量が無くてプレスをかけるタイミングが遅れがちで、長友とジョナタンは早いタイミングでDFラインの位置まで下がらざるを得ず、左CBのフアンがダジャレじゃないけど終始不安定な出来で長友にパスも出せず、なかなか攻撃で本来の持ち味が出せていなかった。

そして主審のブレまくりな判定。どうもダービーで長友に対してレッドカードを与えた人だったようで、この試合でも長友が触ってもなく勝手に相手が倒れた場面でイエローを出されるなど、偏りがあると言うよりは曖昧な判定が多く、後半15分のPKの場面も、フアンは確かにホアキンを掴んではいたけど厳しい判定だったのは確かだ。

それだけに、ようやくフィオレンティーナに疲れが出始めた70分からしっかり2点をもぎ取って逆転できた事は大きい。長友はまだ元気そうだったが(笑)、グアリンやタイデル、ジョナタンには疲労が出始めているようで、昨シーズンもベテランの酷使と怪我で調子が落ちていったことを考えると、そろそろターンオーバーを使うべき時が来ているのかもしれない。