「ここが優勝へのターニングポイントなのか」J1第26節 横浜Fマリノス-清水エスパルス

J1で現在首位に立っている横浜Fマリノスが、ホームのニッパツ三ツ沢球技場に清水を迎えて行われた試合は、下位に沈んでいる清水が見事なサッカーを展開し、非常に緊迫した好ゲームとなった。

横浜は試合開始直後からラッシュを仕掛け、サイドを広く使って分厚い攻撃を展開すると、わずか4分に中村の個人突破からファーサイドに狙いすましたシュートを決めて、これはあっさり横浜が試合を決めてしまうかと思われた。

しかし清水は横浜のプレスに臆すること無くラインを上げると同時に、中村に対してガッチリと村松をマンマークに付ける事で横浜はボールの落ち着きどころを失い、逆に前半の途中から清水がドゥトラの上がったスペースを大前が突いたり、中村がマークから逃げて開けたバイタルを使うなどしてペースを握るようになる。

が、せっかく攻撃で押しながらもラドンチッチのFKがクロスバーに当たったのを始めとして、ポストに当たる惜しいシュートが清水には2回もあり、結局得点を取れるところでしっかり取った横浜と、チャンスをものに出来なかった清水という違いが、この順位に現れているんだなと思わされる結果になった。

清水は、フィニッシュの精度と試合の入り方に課題は残ったものの、負けたとはいえ内容的にはポジティブ。運動量は最後まで高いレベルを保てたし、大前やラドンチッチがチームにフィットして、これが清水の戦い方だと言える形が出来つつある。

横浜のほうは、ちょっと首位らしくないバタバタした試合運びになったかなと。ピッチ状態が悪くてパスでのポゼッションが出来なかった事と、中村にスッポンマークがついてペースダウン役が居なくなった事を最後までなかなかカバー出来なかった。中村のシュートは強さが足りずにGKによってはセーブ出来ただろうし、相手のシュートが枠に当たる幸運もあった。

ただ、悪い内容でも勝ち点を拾えるというのは優勝するチームにとっての必須条件でもあり、その意味でこういう試合をモノに出来た事は横浜の今後にとって非常に大きいのではないだろうか。