「内田のラッキーゴールがチームを救う」欧州CLグループE シャルケ04-ステアウア・ブカレスト

チャンピオンズリーグでのシャルケの開幕戦、ステアウア・ブカレストとの試合はホームのシャルケが3-0で快勝し、グループ本命のチェルシーがバーゼルに2-1で敗れる波乱があったために、第1節消化時点で首位に立つこととなった。
しかし内容はシャルケにとって非常に厳しいものだった。序盤から、ステアウア・ブカレストが自陣で守りを固めてきたためにシャルケはボールを持てるのだが、フンテラールのように狭いスペースの中で個人の力でゴールを決められるような選手がシャルケにおらず、ボアテングはスペースで受けてナンボの選手だし、ファルファンも前にスペースが出来て初めて活きる選手なので、バランスを崩さずに守るステアウア・ブカレストの守備を崩しきる場面がほとんど無かった。
逆に前半の終わり頃からは、シャルケの攻めを見切ったステアウア・ブカレストが徐々に前へと出始め、前がかりになってバイタルエリアが空いたシャルケ陣内に再三攻めこむ様子を見せるようになり、後半になってシャルケがリスクをかけてサイドを上げるとさらに逆襲を喰らう機会も増加し、GKヒルデブラントが活躍せざるを得ない場面が増えてくる。内田も数的不利になってマークが後追いになる場面が何度かあり、17分には内田のサイドから決定的なシュートを打たれてしまう。
そんなシャルケがいつ失点してもおかしくない時間帯だっただけに、後半22分に内田が柔らかくゴール前に入れたボールがそのままゴールに吸い込まれた得点は極めて大きかった。これでようやく、シャルケの各選手がオフザボールで仕掛る動きにメリハリが出始め、それまで左サイドで消えていたドラクスラーが中でプレイすると、78分には彼の溜めからボアテングが流し込み、立て続けにダイレクトでのつなぎからドラクスラーが飛び出して3点目をゲット。これで完全に勝負あり。
内田は、左サイドの攻撃が機能しない分、オーバーラップよりも組み立てで貢献したという感じ。得点が無ければ地味な評価に終わったかもしれないが、シャルケが苦しんでいた時間帯も粘り強くチームに貢献していてレギュラーらしい落ち着いた働きぶりだった。同じサイドで酒井宏樹が成長しているだけに、ますます代表での競争が楽しみである。