「新生バイエルンへの移行期間」ドイツ・ブンデスリーガ第5節 バイエルン・ミュンヘン-ハノーファー96

今朝方行われた、本田が出場したCSKAモスクワとのCLでは3-0と圧勝したバイエルンだけど、その前に行われた酒井がいるハノーファーとの試合は、2-0での勝利ではあったものの昨シーズンのような凄みのある強さはあまり感じられなかった。
グアルディオラ新監督が今期の基本戦術として推し進めているフォーメーションは4-1-4-1で、ハビ・マルティネスが怪我というのもあるせいか、何と右SBのラームが1ボランチに置くという大胆な采配。で、それが機能していたかと言うと前半に関しては非常にギクシャクしていたなという印象。
1トップのマンジュキッチの下には、リベリ、クロース、ミュラー、ロッベンが2列目として並んでいるんだけど、リベリが比較的自由に動いて空いたスペースをアラバが使うという流れは良いんだけど、クロースとミュラーが狭い中で窮屈そうにプレイしていて、結局はチマチマとパスを回して最後はクロスを跳ね返されるという、どっかの代表でかつて見たようなサッカーに終始してしまっていた。
守備でも、昨年のように選手が次々と連動して強烈なプレスをかけ続けるのではなく、バルサ式に個人個人がプレスバックするスタイルなので、ミスをカバーするために無理なスライディングを仕掛けて3枚のイエローをもらってしまうなど、ポゼッションが高い割に荒いプレイが目立ってしまっていた。
後半からはハノーファーが疲れてスペースが出来るようになり、前線の選手によるスペースへの動きが出て来てワンタッチパスがつながり、後半6分にリベリのこぼれ球を拾ったシュートで先制点を奪うと19分にも相手のミスから追加点を奪ってからは楽な展開になったが、ハノーファーにも得点チャンスを何度か作られ、今後の行く末に若干の不安が残る序盤になっている。
ハノーファーは、酒井を含む両SBがほとんど上がらずにボールサイドのSHを含めて常時5バックで守り倒す作戦に出ていたが、やはりバイエルンの個人能力相手に90分耐えるのはどのみち無理な話であり、前半にあった2度のチャンスに得点が決まっていれば、というところか。
酒井については、ほぼ3人目のCBとして最終ラインでクロスを跳ね返し、失点場面ではオーバーラップを止めきれなかったが、昨シーズンにあった不安定なポジショニングが無くなってCBやSHとの連携もスムーズで、すっかりチームに欠かせない戦力として溶け込んでいる印象を持った。特に、1対1の場面ではリベリを含めて互角以上の戦いを見せるなどリーチとフィジカルを活かした守備能力は長友や内田には無いもので、ザックが期待をかけている理由も良く分かる。来年のW杯に向けて順調な成長が楽しみだ。