「長友2試合で2ゴール目!」イタリア・セリエA第2節 カターニャ-インテル

長友がいきなりゴールしての勝利という開幕戦の驚きから冷めやらぬ2戦目、またも長友は右サイドからのクロスにヘディングで飛び込むという新生インテルの黄金パターン(?)でゴールを決め、チームも3-0と快勝で2連勝を飾った。
しかし前半のインテルはかなりの苦戦。アルゼンチン選手をずらりと揃えるカターニャは前線のキープ力に優れていて、インテルのDFと中盤がポストプレイによってズルズルと下げさせられ、特に長友のサイドには突破力のあるレトが高い位置で張っている上に、そこから数的優位を作って攻めて来るのでほとんどSBの位置まで押し下げられ、しかもインサイドハーフのコヴァチッチが不調で連携も悪く、何度も突破からのクロスを許してしまっていた。
それをカバーしていたのが毎度おなじみハンダノビッチの好セーブと右サイドのジョナタンで、左とは違ってグアリンやアルバレスとのコンビが良く、度々タイミングの良い攻め上がりからクロスを見せていて、19分にはジョナタンがドリブルでサイドを突破すると、中で待っていたパラシオに低いクロスが合ってインテルが劣勢ながらも先制点のゲットに成功する。
そして後半になると戦況は一変。前半はレトに抑えられていた長友が、いきなりレトのマークを捨てて攻撃に出始め、カターニャの3トップはインテルのCBと常時1対1になるという、イタリア的な常識では考えられない策をマッツァーリ監督は出して来た。
で、これが結果的には完全に成功。レトは長友のカバーを放棄したので長友のサイドは1人でしか見られず、そうなるとピストン運動が大好きな長友はほぼ好き勝手にやり放題、中盤は長友のところでボールが自由に持てるのでDFラインにも余裕が出来、全体が押し上げられてほぼポゼッションを制圧、長友のゴール以降は単発的なピンチはあったものの、新戦力を随時投入する余裕の試合運びで締めくくった。
いや、まだまだ安定した内容とは言えないけれど、監督が変わるとこうまで全部変わるもんだな~とマンUとは逆の意味で(苦笑)感心してしまったよ。特に今までは自信なさげにプレイしていたジョナタンが急にイキイキとし始め、独りよがりなプレイが目立っていたアルバレスが献身的になるなど、まるで別人のようになっているのには驚くしか無い。
ただ長友自身については、運動量的にはピークに近い状態ではあるものの、守備面、特に相手のドリブルやクロスに対しての反応が鈍くて止めきれないケースがあるのが気がかりだ。まだ瞬発系の動きに対する心理的な警戒心があるのかもしれないが、チームが好調なうちに完全復活してもらいたいところ。