「こちらも決め手が足りない」欧州CLプレイオフ第1レグ シャルケ04-PAOKサロニカ

本来の対戦相手であるウクライナのメタリストが八百長スキャンダルで出場権を失ったために、ギリシャのPAOKサロニカとの対戦になったシャルケ。そのPAOKの監督がかつてシャルケを率いたステフェンス監督というのもあって、何か因縁を感じる試合となった。
シャルケは、序盤こそ前に出て来たものの後はひたすら自陣で守備を固めるPAOKに対して、特に内田が今期はまだ見られなかった積極的な上がりとファルファンとのコンビネーションを見せて右サイドを制圧するものの、サイドを捨てても中央をガチガチに守る相手になかなかゴールを割ることが出来ない。
それでも32分には、若手のマイヤーやドラクスラーが絡んで中央を割って入ったところに、最後はファルファンがポストに当てながらもシュートをゴールへ流し込み、まずは先制点をゲットして一安心。
ところが後半になると、どんどん前へと出て来るPAOKに対して、運動量が落ち始めたシャルケは守備が後手に回るようになり、72分に全員がボールウォッチャーになってマークが甘くなった隙を突かれてミドルシュートが決まって同点に。その後はゴレツカやプッキを投入するも追いつけず、シャルケはホームで痛いドローに終わった。
やはり苦戦になった一番の原因はフンテラールの欠場だろう。1トップにはサライという選手が出場したのだが、CLのノックアウト戦のように相手が集中して研究してくるような試合では、何だかんだで個人の能力が最もモノを言うものであり、そういう意味ではサライも悪い選手ではないんだけど、フンテラールの域には程遠かったと言わざるを得ない。
2列目は、目下売り出し中の17歳マイヤー、ドラクスラー、ファルファンという並びだったのだが、マイヤーとドラクスラーのプレイスタイルが似通ってて狭いところでのアタックに偏ってしまい、ドラクスラーもトップ下よりはサイドのほうが合っている選手なので、そういう部分で攻撃のリズムがいまいち噛み合ってなかった。
まあそれよりも問題は守備のほうで、内田は前半から何度もマークしていながらもクロスを上げさせるなど対人能力の調子が上がっておらず、同じサイドのCBマティプもまだ危なっかしい。フンテラールがいなくなって前線でボールを収める選手が不足しているので、なおさら守備の厳しさが物足らない様子になっている。そろそろ内田もしっかりしてくれないと、CL本戦を逃すと本当に売られてしまうかもよ。