高校総体2013決勝 流通経済大学付属柏高等学校-市立船橋 

流経大柏と市立船橋の千葉県勢同士の対決となった高校総体サッカー決勝は、市立船橋が4-2で流経大柏を退け、3年ぶり8度目の優勝を飾った。
現在、U-18プレミアリーグ東地区でトップを独走している流経大柏のほうが明らかに有利な対戦ではあったのだが、夏場の連戦で流経大柏のプレスに迫力が欠けていたのと、市立船橋が奇策の3バックを用いてきた事によるミスマッチが勝負の分かれ目になったと言える。
市立船橋は3バックにした事でWBがワイドな位置でフリーになる事が多く、4バックと選手のポジション位置がずれる事を活かしてショートパスにWBを絡めて確実な基点を作る事で柏のラインを押し下げ、序盤はポゼッションで優位に立つと、14分にはそのサイドの突破から柏のGKとDFが交錯して倒れた隙に流し込み、先制点を奪ってしまう。
その後はいったん柏に追いつかれたものの、28分にショートカウンター気味の攻撃から石田の絶妙なスルーパスを室伏が決めて再びリード。しかしまたも柏は身長わずか152cmのFW森永が2ゴール目を決めるシーソーゲームで前半を折り返し。
後半になると柏がペースを握って市立船橋は5バック状態になって劣勢を強いられる。が、11分に柏は痛恨のクリアミスから3点目を奪われ、その後も徹底した個人勝負でゴリゴリと市立船橋を攻め立てるものの、市立船橋GK志村の3度に渡るスーパーセーブでゴールを阻まれ、最後は市立船橋エース石田にダメ押しとなる4点目を決められ試合終了。
いかにも市立船橋らしい粘りの勝利だったと言えるが、その中でも際立っていたのがGK志村の活躍とエース石田の存在感。特に石田はクラシカルな10番っぽいプレイスタイルながら、ゴール前での落ち着きも備えているという、かつての小野伸二を思わせる能力の持ち主。プロのフィジカルの中でどうかなという部分はあるが、是非Jでの活躍を見てみたい選手である。