「日本が学ぶべき守備の文化」コンフェデレーションズカップ 準決勝 ブラジル-ウルグアイ

ザックが散々メンバー固定だと批判されている中で、それ以上にメンバーを固定したまま4試合目の戦いとあって、ブラジルの手の内を知り尽くしたウルグアイに相当苦戦した試合となった。
今大会でのブラジルの強さは、猛烈なハイプレスを仕掛けている間に個人能力で点を奪ってしまうところなのだが、このウルグアイ戦では今までの序盤の勢いが感じられず、逆に前半15分にCKの場面でダビド・ルイスがルガーノに引き倒されてしまった事で、ウルグアイのほうに試合の流れが向いたかと思われた。
が、かつてのチームメイトでPKの癖を知っているジュリオ・セーザルがフォルランのPKを見事にセーブ、これでブラジルに一息をつかせてしまった。そして41分に、ロングボールに反応したネイマールの折り返しを、フレッジがうまくミートをダフらせてブラジルが先制。
しかしウルグアイもそれで簡単にはめげず、後半3分にブラジルのDFが自陣PA内で不用意につなごうとしたところをカバーニがカットし、抜け目なく同点ゴールを決めてしまうと、その後もワールドクラスのFWであるカバーニやスアレスがサイドで献身的な守備を見せ、守備陣もコンパクトに守ってブラジルが誇る2列目のタレントに仕事をさせず、このまま試合は延長にもつれ込むかと思われたが、86分にCKから日本が2度もやられたパウリーニョが高い打点のヘッドを決め、これが決勝点になった。
ウルグアイと同じく負けたとはいえイタリアもそうだったのだが、彼らがブラジルに対してどうやって守っているのかを見ると、日本にとって参考になるというか、そもそもの考え方が全然違っている事が良く分かる。
日本にとっての守備とは、例えばパスコースを切るとか、1人が当たりに行ったら他の選手はスペースを埋めるとか、役割分担が比較的分散していたりするんだけど、イタリアやウルグアイはボールホルダーに早いタイミングでアタックし、一発でボールを奪えなくても足を絡めて彼らのバランスだけは必ず崩し、そこに2人目がまたアタックする事によって確実にボールを奪う。そしてボールを奪ったら即座にドリブルしてアタックされた選手の逆襲を食らわない位置にまで引き上げる。この一連の流れに淀みがなく、いかに彼らの体に染み付いているかが良く分かる。
今日のNumberの記事で日本はタックル数とソロラン数が少ないというデータが出ていたが、そこからもイタリアやウルグアイの守備陣が見せる連続したタックルや奪ってからのドリブルが、いかに日本には少なかったかが良く分かる。集中力云々よりも、こういう守備が出来る事が「守備の文化」があるという事なんだなと痛感させられる一戦だった。