「元代表FWがいての得点力不足」J2第18節 東京ヴェルディ-水戸ホーリーホック

東京ヴェルディには高原、水戸ホーリーホックには鈴木隆行という、かつてはW杯にも出場した事がある元代表FWを擁する両チームの対戦だったが、試合は残念ながらのスコアレスドロー。
もう世間的にはコンフェデという事で(?)試合の内容については割愛させてもらうが、やはり代表戦でも痛感させられている部分である、日本の得点力不足という不治の病は、こういったJ2の場にもしっかり現れているんだなあと思ってしまった。
それは、端的に言えば得点をこうやって取るという形が非常にぼんやりしている事である。例えばサウサンプトンならばランバートを基点に2列目とSBが絡むサイド攻撃が基本だし、あのしょぼいニュルンベルクでさえ清武のセットプレイからヘディング、エスヴァインの突破にフォイルナーが飛び込む、といった明確な得点パターンを持っている。
ところが、ヴェルディにしても水戸にしても、能力が高いFW2人の特性を軸にして攻撃の形を作ればいいはずなのに、いまいち攻撃で何をしたいのかがよく分からない。
例えば高原だったら、シュートへと持ち込む動きが多彩で洗練されているので、他の選手は大きくワイドに動いて高原がフリーになれるスペースを作って彼に早いタイミングでボールを集めればいいはずなんだけど、妙にゴチャゴチャと狭いところでパス交換をしていて高原の存在をハブにしてしまう。
水戸の方は、まだ鈴木の足元で基点を作るという狙いがはっきりしており、鈴木も体の強さを活かして安定したボールキープを見せていたのだが、そこからシュートまで持って行くのに手数がかかったり精度が悪かったりで、やはりなかなか得点にはつながらない。と言うか、もっとカウンターチームかと思ってたら意外とつなぐんでちょっと驚いた。
コンフェデの日本代表も、ブラジルやイタリアといったカウンター攻撃が強烈なチームが控えているだけにシンプルに手数をかけない攻撃を身につけないと厳しい。前田になるか本田になるか分からないが、1トップがどれだけ基点としてボールを持てるかが鍵になるだろう。