「解答困難な三次方程式」アジア最終予選オーストラリア戦展望

明日が個人的な用事で忙しくなりそうなので、ちょっと早めにオーストラリア戦の展望を書いてみます。
まあ事実上と言うか99.9%は最終予選突破が決まっている日本ですが、やはりホームでグループの最大のライバルであるオーストラリアにむざむざと負けてしまったのでは、コンフェデに向けてのモチベーションは下がりますし、ヨルダン戦で狂った強化スケジュールがさらに遅れる事になってしまうため、ここは是が非でも勝たねばなりません。
そんな事は当然ザックも承知のはずで、ブルガリア戦からかなり厳しく精神的な緩みに対して苦言を呈し、警戒感を顕にしています。そして認めたくない事ではありますが、現状として本田が居なければいろいろな意味で重心が作られない日本代表にとっては、彼の復帰で一つ落ち着きを取り戻すのは確実です。3-4-3についても、終盤でリードされた状況ならともかく、スタートは本田トップ下の4-2-3-1は揺るがないでしょう。
ただ、精神的な面でのまとまりと、戦術や選手起用の選択という点ではまた別の話です。オーストラリアの戦い方としては、間違いなく第1戦と同じように、守備ブロックを作ってしっかりと守りつつ、ケーヒルもしくはケネディに向けてロングボールを放り込んでセカンドボールを狙い、直接得点につながらなくてもファールやCKをゲットし、セットプレイで決めようとして来るでしょう。研究するまでもありません。じゃあ、それに対して日本がどういう策に出るか。
大きな問題は、今回の日本にはコンディション、高さ、経験という、全体に大きく作用する3つの要素が存在する事でしょう。本来であれば間違い無くスタメンであるはずの本田、岡崎といったゴールゲッターが前日に代表合流という過密スケジュールで、前田と長友は調子を落としているし、吉田麻也も怪我明けで実戦感覚がまた足りない状態です。
そして日本が苦手としているセットプレイで守備力を上げる方策として、手っ取り早いのは身長の高い選手を揃える事です。前田に代えてハーフナー・マイク、内田の代わりに酒井宏樹、今野ではなく栗原という選択肢は、結果が全てであるこの試合については、十分あり得る線だと思います。
最後は経験。高さやコンディションだけでは勝てないのも最終予選という舞台。プレッシャーがかかっても動じず、冷静にプレイ出来るのは経験を持っている選手だからこそ。オーストラリアはロートルだとか言われますが、こと経験に関しては日本を上回っていますし、前回の対戦でも見せたようにここぞという場面で力を発揮できるのも経験の為す技です。
答えは非常にシンプルだけど、そこに至る解を見つけるには3要素のバランスを考えて最適な解を導き出さなければならない。自分が監督だったらこれは非常に難しい判断になりますね・・・さてザックはどう判断して11人を選ぶのか。明日が楽しみです。