「期待の若手がたくさん出場」ナビスコカップ グループB セレッソ大阪-鹿島アントラーズ

既にグループ勝ち抜けが決まっている上位2チーム、鹿島とセレッソとの最終戦対決。勝敗が何も関係しない対戦だけに、特に鹿島は大きくターンオーバーを使ってきており、これからの日本を担う若手選手が多く見られて興味深い試合になった。
が、試合はいきなり若手じゃない選手で動く(笑)。今シーズンまだ無得点でファンの失望を買っていたセレッソのエジノが、一発のロングパスに抜け出してゴール。鹿島は山村と植田という若いCBコンビだったが、ラインを中途半端に上げてマークが遅れるミスでやられてしまった。これも良い経験だろう。
試合運びという点では、チーム全体に4-4-2の約束事が浸透している鹿島のほうが上回っており、大迫とダヴィのどちらかがポストに下がると片方は前線へと飛び出してギャップを作る動きが基本で、そこのスペースに中盤の選手が入って中からサイドへ、そしてまた中へというボールの流れがスムーズに出来ている。
逆にセレッソの方は、人やパスの動きが個人のアイデア頼みの部分が多く、息が合わなくてパスミスになったり、ボールの出しどころが無くてこねて遅攻になったりする場合が多いのだが、柿谷や山口、扇原のイメージが揃った時には急に攻撃がスピードアップするので、それが図らずも緩急になって鹿島を苦しめていた。
前半21分に、これも期待の若手である鹿島の柴崎が遠藤を彷彿とさせる縦パスを大迫に通し、クロスにダヴィが飛び込んで同点とするものの、36分にはセレッソの柿谷が、まるでカカーのように自陣から60mをドリブルで独走、最後は山村をフェイントで崩してゴラッソなゴールを叩きこむ。
でもセレッソが良かったのは前半まで。後半になるとエジノの動きが落ちて柿谷が試合からスッパリ消えてしまい、セレッソはほとんど前線でボールを収めることができなくなる。当然、鹿島がボールを支配してチャンスを量産するのだが、この試合ではダヴィがブレーキになってしまい、決して安定してはいなかったジンヒョンから結局ゴールを奪えず、試合は2-1のまま終了。
内容的には安定しないと言うかツメが甘いというか、若い選手が多いチームにありがちな波はあったけど、やはりフレッシュな顔ぶれと才能のきらめきが見られる試合は楽しかった。この試合で超絶ゴールを決めた柿谷は、代表や海外の声があったりするけど、世界レベルじゃ日本選手は90分走れないと使ってもらえないし、個人的にはまだ国内でいいんじゃないかと思った。それよりも山口や柴崎を呼んで欲しいかな。