「三歩進んで二歩下がる」オランダ・エールディビジ フィテッセ-ヴィレムII

前節でフェイエノールトに敗れ、自力でのチャンピオンズリーグ出場権獲得が消滅してしまったフィテッセだったが、さすがに今節は最下位のヴィレムIIに3-1で勝利し、とりあえず何とか可能性は残した。
アウェイのヴィレムIIは、試合開始からほとんどハーフラインを超えてはプレスに来ない引きこもり戦術を取って来た。にも関わらず、9分に左サイドをワンツーで破られ、折り返しがヴィレムIIのDFに当たったボールがハーフナー・マイクの前に転がり、足を伸ばしてごっつぁん気味のゴールで早くもヴィレムIIのゲームプランが崩壊。
2点目もボールを奪って前にかかったところでのミスから楽々とボニーに決められ、後半開始直後にはロングボールをハーフナー・マイクがワンタッチで落とし、走りこんだファン・ヒンケルが決めてハーフナー・マイクは1G1アシスト。後半15分にハーフナー・マイクはお役御免で、そこからようやく攻勢に出たヴィレムIIに1点を返されたがそこで反撃もおしまい。
とまあ、純粋な試合内容的にはほとんど見どころがないのでハーフナー・マイクのプレイについて主に見ていたのだが、結果は残したけどまだまだ足りない部分は多いなと。
マイクの良いところは図体がでかい割に足元が柔らかいところで、この試合のアシストのようにワンタッチで味方の足元へとはたいたり、狭い中での取り合いではリーチを活かしてボールを掻きだして味方につなげたりと、同じトップ下のポジションというのもあってか時折「おっ、偽ジダン?」と思わせるプレイを見せたりする。
が、その割にはまだまだボールに絡む回数が少ない。ボニーがあちこち動きまわってポストプレイをこなしているのに比べると、マイクはピッチ中央でボールをはたいて前線にゆっくり上る感じで、あまりボニーとコンビを作ってスペースへと飛び出している様子が無い。ポストプレイの多少上達したとはいえ、重心を低くして上体を相手に預け、時には体にぶつけた反動でマークを外す技を駆使するボニーに比べるとまだまだスキルが足りていない。
前線に走って頭でフリックや落としをしたり、ポストプレイからターンといったような、単独で前を向けるプレイが出来るようになると、より大きなクラブからのオファーは来ると思うが、現時点ではまだオランダリーグに残留してレベルアップに務めたほうがいいように思う。大型のFWは晩成型が多いので、気長に期待しておきたいところかな。