「これはあくまで練習試合」国際親善試合 日本-カナダ

案の定、セルジオ氏を筆頭として某掲示板あたりでは試合についての罵倒が渦巻いているわけだが、強化試合で下手に楽勝してしまうほうが油断しそうだし、フィジカル的には一番負荷がかかっている時期にやっているはずなので、後半30分過ぎに足が止まって攻められっぱなしだったのはある意味当然である。
と言うわけで、この試合1つで一喜一憂しても仕方がないわけだが、試合ではっきり見えた課題については、きちんと残りの日数で修正する必要はあるだろう。
まず、本田が抜けた事で前田の1トップと香川のトップ下という布陣でスタートしたわけだが、前線で基点になれる選手が居なくなった事でDFラインが押し上げられず、そこにカナダが高い位置からプレスをかけて来た事で余計にDFがロングボールを蹴らざるを得ない羽目になり、また前でボールが収まらない以下繰り返し、という状態になってしまった。
後半から、個人的にヨルダン戦のキーマンとして予想していたハーフナー・マイクが入り、ロングボールの競り合いでほぼ勝てるようになった事で相手のラインが下がり、それでかなり日本のビルドアップに余裕が出てきて後半の最後に疲れが出て来るまでは日本がボールを支配することが出来ていた。
香川も、後半からは左ウイングに回ったわけだが、相手のラインが下がった事でスペースに余裕が出て来た事と、マンUとは違って(笑)中村憲剛は香川が中に入ってもうまくポジションチェンジをしてカバーをしてくれるので、ストレス無くプレイできているように見えた。香川は後半の最後でも体が動いていたので、この試合で得点は決められなかったが本番では楽しみである。
もう1つの課題としては、DFラインの守り方。カナダが3人前にいる時も、誰かが中盤に引いて1人だけしか残ってない時も、常に日本は4人が横並びになってゾーンを作っている場面が多かった。前半はボールがキープ出来ないので上がりにくかったという面はあったのかもしれないが、それによって中盤でのプレス連携が薄くなり、カナダにバイタルを攻められる要因になってしまっていた。後半はやや改善はされたものの、ヨルダン相手の本番ではもっと早いタイミングでFWに対して寄せないとセカンドボールを拾われる危険性が高くなるので修正が必要だ。
あと、SBがマークについているのにスピード負けしてクロスを上げられてしまっている場面が目立ったのも気になった。潰すなら潰す、コースを限定するなら限定するではっきりプレイしないといけない。その点で良かったのは後半途中で入った栗原で、監督の指示があったのだろうがサイドのスペースに対する早いカバーリングでピンチを未然に摘み取っていた。伊野波の怪我の状態は不明だが、ヨルダン戦での代役は十分行けそうである。
ヨルダン戦の先発については、前田の調子が上がってない現状では、前線はおそらく後半の布陣が基本になるだろう。ただ、ハーフナー・マイクがカナダ戦の後半だけでバテバテだったので、コンディション次第では1トップがどうなるかは分からないが。中盤から後ろについては、伊野波とゴートクの怪我次第だが前半の形がそのまま来るだろう。とにかくコンディションとコンビネーションをこれから出来る限り詰めて貰いたいところだ。