「ヨルダン戦のキーマン」オランダ・エールディビジ第27節 ADOデン・ハーグ-フィテッセ

フランス戦の役立たずっぷりで、すっかり代表での1トップの優先順位としては下げられてしまった感があるハーフナー・マイクだが、前線での基点として絶大な信頼を得ている本田が欠場している事、そして満足なパスワークが出来そうにないヨルダンのピッチを考えると、彼がザックジャパンのキーマンとして起用される可能性は結構高いのではないかと思っている。
所属クラブのフィテッセでも監督にポストプレイの重要性を説かれ、FWコーチに指導を受けて向上中という情報を聞いていたので、それがどれだけ試合の内容に反映されているかという部分に注目して、この試合を見てみた。で、結果から言えば、残念ながらまだまだ道半ばなのかなと。
前半は、ホームでラインを上げてガンガン前に出て来るADOに押されてほとんどボランチの位置まで下がってのプレイが多く、足元に来るわけでも頭にハイボールが飛んでくるわけでもなくて、たまに前線へと飛び出した時にボールを受けたぐらいで、正直言ってボールに触る回数自体が少なかった。
後半になると、おそらくチームから指示が出たのだろうが、明確にマイクの足元へと縦パスが来るようになって、ポストプレイの回数が増えはしたのだが、一度足元へとボールを入れすぎて簡単に後ろから押されてロストしてしまった場面があり、それ以降はあまり信頼されなくなったのかめっきり回数が減ってしまった。
とは言え、彼のレベルが完全に停滞しているという事はなくて、後半の39分にヒールパスを受けてDFラインの裏へと抜け出し、相手のボディコンタクトに負けず冷静に足元を抜くチーム4点目となるシュートを決めたのを見ても、以前よりも重心が低くなって押される力に対しての抵抗力が上がり、腕で相手を抑えつつボールを反対側に置いてコントロールするスキルは身につけつつあるようだ。
ただ、それを常時意識して、あるいは無意識で出来るまでには至っておらず、時々以前の癖のままに棒立ちで足元に入れてしまってロスト、という場面になっているような感じだ。あと、まだボールが来てから何かをする、という受動的な対処に留まっているので、チームメイトのボニーがやっているように、パスが足元に来る前にマーカーに対して背中をぶつけ、相手が体から離れたタイミングでボール受けるというような、プレイを逆算した能動的な対処が出来るようになれば鬼に金棒だと思う。