「もう金星は珍しくありません」イングランド・プレミアリーグ サウサンプトン-リヴァプール

ここ3試合で1分け2敗と、またもや残留争いに引きずり込まれてしまったサウサンプトンだったが、何と公式戦4連勝中の好調リヴァプールに3-1で快勝してしまった。それにしても、シティやリヴァプールに勝ったと思ったら、ホームでQPRにあっさり負けるしつくづく強いのか弱いのか良く分からんチームである(笑)。
ひとつはっきりしているのは、サウサンプトンはパスをつないで来るチームには非常に強みを発揮するという点だろう。イングランドでは珍しい、高い位置にラインを上げてコントロールをするボチェッティーノ戦術が浸透し、この試合でもスパーズ戦で劇的勝利を飾って気が抜けたのか動きが悪いリヴァプールに対して攻守の切り替えで圧倒、シュート数はリヴァプールの8本に対し、倍以上の17本を放っている。
特に、シュネデルランとコークのボランチが絶好調で、ララーナはいつも通り良く走って攻守に絡み、ロドリゲスはかなりチームにフィットして来てボールを引き出す動きで冴えを見せ、ラミレスは相変わらず消えがちだけど先制点の場面では絶妙なクロスで起点になるなど、攻撃の噛み合い方がいつになく素晴らしかった。前線にビッグクラブ並の決定力があれば、前半のうちに5点は入っていてもおかしくなかったぐらい、チャンスの数に差があった。
リヴァプールも前半終了間際に何とか1点を返すと、後半からはトップ下にコウチーニョを置いてスアレスをサイドへと移し、コウチーニョが香川のようにバイタルエリアで積極的にボールを受けるようになると、リヴァプールが中盤で主導権を握れるようになり、サイドを中心にサウサンプトンを攻め立てるものの拙攻がたたって得点にはならず、逆にカウンターからロドリゲスが単独突破で3点目を決めて勝負あり。
試合後の採点で、吉田がほぼ及第点みたいな報道があり、アップセットを決めてスアレスも封じ込めたのに?と思ったのだが、試合を見ると納得ではあった(笑)。
前半30分で先発だったホーイフェルトが怪我で交代し、フォンテが入った事で左CBに移ったのだが、明らか右でやっている時よりも不安定で、フォンテとマークの受け渡しやラインコントロールの息が合わず、何度かオフサイド崩れから飛び出しを許してしまっていた。ボールを持ち上がってから右足のアウトでパスを出した場面があったように、右足では左へのパスが出しにくそうで、全体的にプレイがギクシャクしていた。今後はまたフォンテとのコンビが続きそうなので、しっかりコミュニケーションを図ってほしいところだ。