「欧州かぶれにはなりたくないけれど」J1第2節 浦和レッズ-名古屋グランパス

ここ数年は、本当に海外組日本人選手の人数が増えてしまって、シーズン中は彼らのめぼしい試合を追っかけているだけで1週間が過ぎてしまい、なかなかJリーグの試合まで手が回らないのだが、あえて週に1試合はJを見るように努力してみようかなと思う。と言う事で浦和対名古屋。
かつては金子達仁氏や杉山茂樹氏、最近では炎上事件を巻き起こした佐藤峰樹氏等、サッカーファンの間においてJリーグや日本人選手を見下し、悦に入っている層というのが残念ながら一定数存在しているわけだが、当然ながらスタンス的にはそれとは正反対の私であっても、この試合を見ると彼らの気持ちがほんのちょっと分かるかな、と思ってしまった。
その中で最も物足りなく感じるところは、相手の守備陣形が整う前に攻めきろうという姿勢の欠如。サッカーにおいて得点へとつなげるために最も重要な事は、いかにして数的優位になってゴール前でフリーな選手を作るかという事であり、スピードもフィジカルも運動量も組織も、全てはそのために存在していると言っても良い。
特にカウンターの場面は、数的優位を作る千載一遇のチャンスであるはずなのに、Jリーグでは各選手がゆっくり走りながらパス回しをしつつ相手のゴール前へ運び、その間に相手が戻ってすっかり守備ラインが出来上がっている手前でストップして終わり、やれやれお役御免という感じである。
守備側も、とりあえずボールホルダーに寄せさえすればバックパスでスローダウンしてくれるので、中盤でガツンと当たろうという選手がいない。攻撃側に、カウンターで必ず攻め切る統一された意志があれば、こういうぬるい守備では意味が無いはずなんだけど、そこでお見合いして終わってしまっている。まるで、寸止めで試合をしている空手のようで、これでは相手がフルコンタクト+偏向判定で挑んでくるACLでは勝てませんぜ。
1バックでコレクティブなパスワークを信条としている浦和はともかく、低めに4バックのゾーンを敷いてカウンター狙いのはずの名古屋が、そういう姿勢を全く見せないのは非常に残念だ。唯一、名古屋の中でヤキモフスキーだけがカウンターで全力疾走を見せていたが、それに周りの選手が同調せず、次第に彼も埋没していってしまった。
もちろん怪我を覚悟で、とは言えないけれども、ただでさえJリーグは代表や海外組の話題に埋もれがちなだけに、もっと激しい熱いプレイを期待したいところである。