「自ら勝利を手放してしまったシャルケ」UEFAチャンピオンズリーグ ベスト16第2レグ シャルケ-ガラタサライ

ともにベスト16で敗退してしまった、日本人選手所属の2チーム。香川のマンUは不運な判定での惜敗だったが、内田のシャルケも十分勝ち抜けの可能性はあったのに、みすみす自らその機会を放棄してしまった試合だったと言える。
試合は、ドログバやスナイデルという非常に強力な前線の選手を揃えるガラタサライが、ホームで1-1に終わったビハインドを覆すべく攻勢に出て来るが、内田もいつもの上がりを自重するなどシャルケは慎重に守り、チャンスはある程度作られはしたが得点は許さず、逆に17分のセットプレイから最後はこぼれ球をノイシュテッターが押し込んで、シャルケはプラン通りに先制する。
が、そこから先の試合運びがいかにもまずかった。守備力に難があるスナイデルをトップ下に置いたダイアモンド型の4-4-2を敷くガラタサライに対して、4-2-3-1のシャルケは中盤で優位に立てるはずなのに、肝心の2列めとボランチの動きが悪くて相手を挟み込めず、中盤から自由にパスを散らされ、せっかくボールを奪ってもミスになってハーフカウンターを食らってしまう。
前半37分に、内田のファールから最後はアルティントップにゴラッソなミドルをぶち込まれたが、その前に中盤でパスミスをされて数的不利になったところを仕方なく内田が体で止めたものであり、その直後の2点目もあり得ないビルドアップのミスからプレゼントしたものであった。こんなつまらないミスをしていたのではどんな試合にも勝てないだろう。
勝ち抜けに2点が必要になったシャルケは、後半から内田が上がりっぱなしの2バックで攻め立て、ガラタサライもゴール前に8人を並べて必死の抵抗をするのだが、シャルケは何度もあったチャンスにプッキやドラクスラーが決められず、得点は内田がゴール前でバストスに落ち着いて流したアシストで決めた1点のみで、ロスタイムにカウンターからダメ押しを食らって敗退。
試合には負けたものの、内田は引き続き好調を維持。冷静なビルドアップのフィードでガラタサライのプレッシャーを交わし、前半はドログバに劣勢を強いられたが、後半はほぼ上がりっぱなしではあったがミス無くサイドで確実にファルファンとのコンビで攻撃を組み立て、シャルケのターンを形作っていた。ひとまずヨルダン戦には良いコンディションで臨めそうである。