「日本人対決は酒井高徳の勝ち?」ドイツ・ブンデスリーガ第23節 シュツットガルト-ニュルンベルク

ブンデスリーガ史上初となる日本人選手4人同時出場の可能性があった試合だったが、金崎は先発だったものの前半のみで退き、岡崎は74分からの出場だったために夢はかなわなかった。おまけに、試合内容もかなりショボショボでの1-1ドローと、ちょっと残念な試合になってしまった。
初先発となった金崎については、まず対面が同じ日本人の酒井高徳だったのが不運だった。ドイツ人DFの場合は、比較的間合いを詰めて1対1で抑えこもうとする傾向が強いために、アジリティに勝る日本人はかえって裏を取りやすくなるものなのだが、酒井は金崎の縦を切るポジショニングを取って来たので、仕方なく中に入りはしたものの守備のプレッシャーに対して横や後ろにパスを返すプレイが増えてしまい、あまり有効な攻めが出来ずに前半が終わってしまった。
そして守備でも甘さと弱さがあり、酒井の突破などに対して後手を踏む場面が目立ち、ドイツであればウイングであっても1対1は体を当てて競らなければいけないのだが、そういう基本的な個人戦術の部分がまだまだ足りない様子だった。まあ、この辺はハノーファーにいる酒井についても同じ課題ではあるんだけどね。
チームメイトの清武のほうも内容はいまいち。4-1-4-1で来たシュツットガルトは、アンカーのクビストをほぼ清武のマンマークに当てて前を向かせない対策を取って来たので、前半のうちはほとんど前を向けずに相当苦しんだ。後半になって、ボランチの位置からゲームメイクをしたり、相手の運動量が落ちてからは高い位置でパスを出せるようにはなったが、とても期待に応えられる出来とは言えなかった。
正直なところ、ゴール前の密集で強引に割り込んだり、ボールをよこさない味方に対して怒鳴るような事が出来ない内に秘める性格の清武は、視野も広いしミドルパスも正確なので、守備を覚えてボランチにコンバートしたほうが良いと思っている。まあ、これも中田や名波、中村と伝統的に続いている日本人ファンタジスタが抱える弱点でもあるんだけどね・・・
逆に評価を上げたのはシュツットガルトの酒井高徳。ELのゲンク戦から中1日という厳しいスケジュールだったが、前半はポジショニングを後ろ気味にして中とのバランスをしっかり取って金崎に仕事をさせず、時折思いきりの良いオーバーラップを見せて先輩の意地を見せた格好。後半は、さすがに疲れからかプレイの精度が落ちてあまり良いクロスを上げられなかったが、トータルとしての出来は合格点だったと言える。
岡崎については残念ながらプレイをどうこう言える出場時間では無かった。トラオレが好調なのは確かだけどハルニクがダメダメだったので、それなら右ウイングで彼を使って欲しいところなんだけどね~。