「ヨロヨロ状態での内田復帰」ドイツ・ブンデスリーガ第18節 シャルケ04-ハノーファー96

ヴォルフスブルクとシュツットガルトの試合が終始ソリッドな展開で、この試合も前半のうちは皆が激しくプレスを掛けあってなかなかスペースやチャンスが出来ない試合だなと思っていたら、後半から大崩れで終わってみれば5-4の馬鹿試合になってしまった。
シャルケはフンテラールが出場停止のため、マリカが1トップで先発することになったのだが、これによってあまり前線でボールが収まらず、攻撃がとにかく縦に早く早くという感じになってしまい、いつもであればファルファンがボールを持って溜めを作り、内田がオーバーラップしてクロス、という流れになるところが、ファルファンがどんどん早めにドリブルを仕掛けてしまうために、単発の攻撃で終わってしまう事が多かった。
もっとも、太ももにガチガチのテーピングをしている怪我明けの内田も絶好調であるはずはなく、走ってはいるけど通常よりもダッシュやジャンプが効かない様子で、ハノーファーが決めた3点目は内田がディウフに競り負けて落とされたボールを押しこまれたものであるのを見ても、高さには結構強いはずの内田らしくない負け方だったと言える。
さらに内田にとって気の毒だったのは、前半のハイペースのあまりに後半は中盤が守備のカバーに戻れなくなってしまい、シャルケ、ハノーファーともどもSBが上がった後のスペースに誰もカバーに行っておらず、仕方なくCBがサイドに寄せてカバーに入り、それに連動してCBとSBがセンターにずれたところで、さらにその外側に選手が入って来てノーマーク、という場面が連発した事。こうなるとDFラインの選手は右往左往させられるだけで、全くのくたびれ損である。
とは言え、何とか試合には勝てたし、内田も2回の失点場面に絡むなどの不運・不調はあったものの結果的にはフル出場で、ちょっと全体的にスタートがあまりよろしくないブンデス組の中ではまずまずの試合だったと言える。
逆にハノーファーの酒井はこの試合でも出番なし。右SBのレギュラーであるチェルンドロが出場していないのに先発できない状況はかなり厳しい。1対1での対応が基本のブンデスでは、Jリーグでは基本になってしまっているスペースを漫然と埋めるようなポジショニングが一番嫌われるのだが、まだその癖が抜けていないのだろうか。通訳も入って監督の指示が理解できるようにはなってるはずなので、頑張らないとね。