「これしか無いのにやられた」全国高校サッカー選手権大会 準決勝 京都橘-桐光学園

中村俊輔の母校ということで注目されていた桐光学園だったが、準決勝でダークホースの京都橘に0-3という思わぬ大敗を喫して敗れ去った。
とは言え、チーム全体のレベルで言えば明らかに京都橘よりも桐光学園のほうが上回っていた。京都橘としては、この試合ではとにかく人数をかけて守り倒し、唯一の武器といえる仙頭と小屋松の2トップによるカウンターに賭けるしか無かったのだが、桐光学園がそんな見え見えの作戦にまんまとやられてしまった。
桐光学園の攻撃は、まず松井を中心として後ろからサイドにボールを散らせて基点を作り、そこから野路や市森のFW陣に合わせるか、また松井が絡んでワンタッチパスにFWが反応、といった形が多いのだが、京都橘の快速2トップを恐れてなのか、DFラインが低くて選手間の距離が広がり、ゴール前での人数がかけられずに人数をかけた京都橘の守備をなかなか崩せなかった。
京都橘はとにかくボールを奪ったら船頭か小屋松にボールを預けるだけなのだが、桐光学園は何故か普通にゾーンで守ってしまい、案の定前半42分にカウンターから仙頭のドリブルで攻めこまれ、しかも守備にクリアミスが重なって先制点を許してしまった。そして後半31分にはゴールライン付近でのまずい守備対応を拾われて2点目で勝負ありと、まさにミスミス勝負を明け渡してしまった感がある。
とにかくこういう相手に対しては、仙頭と小屋松に対してスッポンマークを付けておき、彼らに入るボールをカットしてセカンドボールを拾い続ければそんなに難しい相手ではなかったように思うのだが、神奈川の強豪校ゆえのプライドがそういった「弱者の戦い方」を許さなかったのだろうか。
これで決勝は鵬翔と京都橘の、どちらが勝っても初優勝というフレッシュなカードになった。鵬翔は立正大淞南との試合で見せたように、マンマークでの守り方を得意としているチームなので、京都橘の2トップを決して自由にはさせてくれないだろう。そこの対決が一番のポイントになる事は間違いがない。